六、新しい人生の始まり

五、人生の大政奉還

日本人が過去から築き上げてきた全ての価値観が崩壊してしまった現在、全ての日本人は、一度、自分という存在の総てを、自分の意識において、「一即全・全即一」というものに対して大政奉還していくべき時期に来ているのです。それはつまり、人智を超えた、大宇宙や大生命そのものに対して、自分達の全てを委ねていかなければならないということです。それは、一人一人が自分自身の人生を目に見えない大いなるものに大政奉還していくということです。
それは日本という国における社会環境の大変革時代であり、一人一人の内的な意識変革の時代でもあります。人は、その事態や状況に対して、自分自身の力では、その問題を解決することができないと悟った時に、人間は全てを大いなるものに委ねていくという大いなる諦観に至るからです。その大いなる諦観とは、「一即全・全即一」ということを大悟した偉大なる覚者の教えです。
今現在の混迷する社会状況に対して、一人一人が、それまでの基準というものを、「総てのものを生かし育てている宇宙的大生命の本源」という全く別の新しい基準へと大転換して、それを基盤として生き、そして行動していくことが新時代に必要なことであり、真に求められているということです。そして、「総てのものを生かし育てている宇宙的大生命の本源」に対して、一人一人が完全に無条件降伏して、それに自己意識を奉還していくことが、一人一人の意識大変革を行うということを意味しているのです。  
政治も、宗教も、会社も、組織も、学校も、家庭も、自分も、全ての存在が、過去において、何度もゼロの状態になったことがあるように、現在という今、一人一人の意識というものを「一即全・全即一という大生命そのもの」へ大政奉還する時代に来ているということです。大宇宙では、現在、一つの大きな魚座時代が閉じられているということに現われています。そして、新しいアクアリアス時代の扉が、今、大きく全人類の前に開かれているということを示しているのです。

もう、古い価値観は通用しなくなりました。なぜならば、新しい時代の始まりだからです。そして、大宇宙と人間の融合する新時代が来ているのです。そして、その時代へと移行していく短い期間に、若干の混乱と苦しみがあるだけです。しかし、その混乱と苦しみの期間は、新たなるものを産み出していく創造の期間でもあります。それはつまり、その苦しみの後には、必ず素晴らしい時代が用意されているということを保証しているということでもあります。その新しい時代は、全人類が生命の連帯感を持って、認めあい、生かし合い、分かち合っていく時代となっていく時代です。そして、世界の中の一部の国々や、一部の金持ちの国々だけが成長発展していく時代ではなく、また、豊かさというものが、ある特定の国だけに一極集中していく時代ではなく、全ての国々が、全ての資源、全ての経済、そしてあらゆる自然等に対して、常に全体のバランスを取りながら、調和しながら成長発展していく時代となっていくのです。また、そのような方向に全人類が叡智を絞り、協力していかなければなりません。

江戸時代末期の時は、日本中が、一時、西欧列強国の外圧によって大混乱になりました。しかし、下級武士達の優れた叡智と強い意志によって、幕府は大政奉還を断行しました。その結果、無事に日本という国を、国際世界へ向かって開くことができたのです。この明治維新によって、それまでの封建的身分社会は無くなり、平等な社会が誕生したのです。そして、西洋の思想が普及され、国家体制も西洋化していきました。明治維新というものは、非常に急激なものではありましたが、総てを一度、ゼロの状態へ戻すことによって、ようやく日本に国会が開かれ、そして、明治憲法が制定され、西欧列強諸国に負けないだけの国家を造ることができるようになったのです。このことは、日本が世界に誇ることができることです。なぜならば、これら明治維新と呼ばれる大変革を成し遂げたことによって、それまでアジアの極東にあった日本という一小国家が、未だ過渡的なプロセスの状態であったにせよ、目覚ましい進歩と素晴らしい成長を遂げ、世界の仲間入りができることになったからです。

次に、第二次世界大戦による日本の敗戦後のことです。昭和20年、8月15日、日本国土はアメリカ軍による情け容赦のない無差別爆撃によって、完全に焦土と化してしまいました。その上、広島、長崎に、人類史上初めての原子爆弾を投下され、日本はアメリカに対して無条件降伏をし、ポツダム宣言を受諾することに至りました。この時、日本は、もはや何の力もなくなっていたのです。そして、日本は、アメリカに対して、完全に全ての意志を大政奉還したのです。しかし、日本がアメリカに対して完全に無条件降伏をしたことが、結果的には最も良いことになったのです。なぜならば、アメリカ合衆国による単独講和、単独占領ということになり、ソビエトやオーストラリア、中国等の他の連合国諸国によって、日本国土が分割されずに済んだからです。そして、天皇制は国の象徴として残され、民主主義が完全に実施されていくことになったのです。強力なアメリカという国家に対して、日本が国家における全ての意志を奉還することによって、それまでの日本の国家体制というものが、根本から強制的に変えられていったのです。そして、そのことによって、日本は、更に成長発展していく新国家体制を創り上げていくことができるようになったのです。
そして、今回の平成大変革です。古くなったものは、やがて崩れていくということと同じように、自民党という政党というよりも、自民党型の政治という今までの政治のやり方そのものが、来るべき新しい時代では通用しなくなったということです。これからの政治は、やはり新しい政党が掲げている様に、一人一人の生命や生活という理想的状態へ向けて進んで行く時代となっていくからです。なぜならば、新しい変化の要求というものが人間から出てきているのではなく、実は、大宇宙大生命そのものから出てきているからです。もちろん、結果的には人間からの要求となってくるのですが、その根源的原因は、大宇宙大生命というところから出てきているのです。そのため、人間は自分達の生命を維持していく為にも、総ての生命に対して、一度、自分自身を大政奉還していかなければならない時代に既に突入しているということです。それは新しい宇宙時代の黎明であり、人間生命の新しい時代の始まりでもあります。それは、一人一人の心の中にある無限の叡智を、自らの探究によって開いていく新たな時代が訪れているということを示しているのです。  
過去において、日本は壊滅的な被害を受けました。しかし、その度ごとに、日本という国家は、その廃墟の中から不死鳥の如く、新しい生命となって、より高く、より強く成長発展することができたのです。日本人は、その不撓不屈の精神と意志によって、更に素晴らしいものを誕生させてきたのです。安定した状態で、風一つ吹かないような状況の中では決して天才は現れませんし、人間の叡智も働くことはありません。しかし、国家が危機存亡の状態となった時にこそ、日本人の内部に宿る本当の力が発動して、偉大な天才達が、国の至るところから出現して来るのです。もちろん、この能力は、日本人だけではなく、全ての人間が身体内部において持っている生命自身の働きによるものです。

本当の叡智とは、人間の力を超えた所から湧き出て来るものです。そして、それは決して、人間が得ようとして得ることができる叡智ではありません。その偉大なる本当の叡智を得るには、一度、自分自身を全て捨てなければ得ることができないのです。日本人一人一人が、この平成の大変革時代を真に乗り越えていくには、この今、大死一番、百尺竿頭、空中に、すべからず歩を進めていかなければならないということです。つまり、自分自身を含める大宇宙大生命に対して、人生の大政奉還をしていかなければならないということです。ここに真理の叡智があります。老子も一なる全てである「太極」というこ存在を説いています。禅もまた、言葉や思想を超えた「無」を説いています。この「一即全・全即一」という「全一」の存在に対して、自分の全てを大政奉還した時に、必ず何かが大きく変わり、転回していくのです。その結果は人間には分りません。大宇宙の運行を司る存在だけが全てを知っておられます。人生の大政奉還をして、儲かるとか損するということでもありません。それは、短期的な観点ではなく、人間のものさしでは測れない長期的な観点だからです。それは善悪を超えた真の意味での「本当に良い事」を表しているからです。
そのように、人間というものが、今までの様に肉体の中に閉じ込められた存在から、大宇宙大生命へと解放された存在へと大転換していくことが、現在の一人一人に求められているということです。そしてその事は、過去から今日までにおいて、全ての優れた先人達が経験し、後世に語り伝えてきた悟りの体験そのものでもあるのです。

偉大なる大生命の本源に、自分自身の意志を奉還せよ!
全知全能なる大生命の本源に対して、自分自身の意志を奉還せよ!
総てを知り、総てを導く大生命の本源に自分自身を大政奉還せよ!
自分の人生における苦杯を受け容れ、自分自身の人生を大生命に奉還せよ!
日々、時の女神に対して、自分の人生の導きを祈れ!

自分が不完全な存在であることを認め、失敗は反省し、人生の軌道修正を計れ!
人を赦すことが自分を赦すことになることを知り、総ての過去を赦せ!
人を生かすことが自分を生かすことになると知り、総ての人々を生かせ!
自分の判断を絶対だと思わずに、大いなる時の流れと共に生きよ!
誰一人、未来は分からない事を知り、現在、目の前にあることに対して、最善を尽くせ! 良いと思うことは積極的に実行せよ!
総ての結果は、大生命の本源に委ねよ!

大生命の本源の祝福が、この本を取り、読まれたあなたにありますように。