金の斧、銀の斧

1981年11月に、私は一人で、世界スピリチュアル旅行へ旅立とうと成田空港へ行きました。そして、私は空港内の待合場所において、自分が乗る飛行機の搭乗時間を待っていたのです。そこは搭乗ゲートのすぐ横にある待機場所で、そこば、すぐゲートの脇に置いてある飛行機や滑走路等の状況がよく見える場所でした。そして、自分の周囲には、自分と同じ飛行機に乗る乗客達がいました。

その時、一番外側のガラス越しに立っている二人の外国人の姿に、私は気を魅かれたのです。一人は男性で、もう一人は女性でした。その時の女性は、まるで、首から足下まで同じ材質で造られたシンプルで、しかも洗練された姿をしていました。私は、その女性の姿から、どこにもいない宇宙的オーラを感じたのです。  
私は、なぜかその女性が、子供の頃、テレビで見た宇宙人の姿のように見えてしまったのです。

「あっ、火星人がいる」

私は、心の中で、そう思ってしまいました。それは、私が勝手にそのように思ってしまいました。そして、待機している間、私は、特にその二人と話をすることなく一人で時間を過ごしていたのです。やがて飛行機の搭乗時間がきて、私は自分の搭乗手続きを済まし、機内に入りました。そして自分の席を見つけ、その席に座るってみると、私の隣の人は、あの火星人女性と一緒にいた外国人男性だったのです。
その時、その男性と一緒にいた火星人女性が、どこにいるのか、なぜか私には発見できなかったのです。そして、私達の飛行機は、成田空港から北京空港へ向かって離陸していったのです。
いくら隣同志でも初めは見ず知らずの他人同士です。ですから、最初は何も話さず、一人で本を読んでいたのです。しかし、しばらくすると、どちらともなく話をするようになったのです。
まずお互いに簡単な挨拶をすると、その人は、スペイン人で、バルセロナに住むビジネスマンということが分かりました。その男性は、日本語を話すことができる上に、親しみのある人でしたので、私達はすぐに仲良しになることができました。
その男性は、私に、こう、話しました。

「私、日本、大好きです」
「ポール・モーリアさんに非常に似ていますよね」
「ええ、他の人からも、そう言われたことがあります」
「そうなんですか」
「私、一年の内、何回も、スペインと日本の間を行き来しているのです」
「へぇー」
「私の人生の半分以上は、日本のことばかり考えているのです」
「不思議な人生ですね」
「私、日本のお祭り大好きです。日本中のお祭り、たくさん、行きました」
「わざわざ、スペインから日本のお祭りを見に来るのですか」
「ええ、日本のお祭り、素晴らしいですから、行くのは当然でしょ」
「まぁ、そうですけども・・・」

このような会話をしていました。
するとなぜか、その時、私の脳裏に、当時、活躍していたドリフターズのコメディーの一場面が急に思い出されたのです。それは、どうしてだか全く分かりません。
そのストーリーは、雲の上に二人の神様がいて、天上界から地上界を下に見ながら、地上にある一つの池に向かって、金の斧と銀の斧を一つずつ投げ入れるシーンから始まるのです。その後、二人の天の神様が相談した結果、声を出して、どちらかの斧を池の中から出そうとするのです。しかし、どうしても違う方の斧が池の中から浮かび上がってしまう、というようなものでした。
私はなぜ、その場面を思い出したのか、その理由は全く分かりません。なぜか、その時、全く理由なく、その滑稽なストーリーが思い出されて、その男性に話したくなりました。しかし、自分でも、はっきりと、そのストーリーを覚えていないので、その男性にその話をする事ができなかったのです。

すると、次の瞬間、驚くことが私の前に起きました。
そのポール・モーリアに似ている男性は私に向かって、このように話したのです。

「今、なぜか、私、ドリフターズの金の斧と銀の斧のおもしろい話を思い出しました。そして、それを、あなたに話したくなりました」
そのポール・モーリアに似ている男性は、その話を、私に話してくれたのです。
なんと、私が話そうとして話せなかったことを、眼の前にいる、会ったばかりのスペイン人が日本語で私に語り出したのです。

私は、その時、非常に驚きました。 
「たまたまテレビで見ていて、その場面を知っていたのかも知れないけれども、今、私が頭の中で、ちょうど思い出したことを、次の瞬間、全く別の人が、それと全く同じ内容を話し出すということが一体、ありえるのだろうか」
私は、そのように、心の中で思ったのです。

その時、確かに自分は、自分の頭の中で、その場面と、そのストーリーを思い出しましたが、それは自分だけのことでした。そして私は、そのことを眼の前にいる人に伝えようとは全くしなかったのです。私ではない別の人が、それと全く同じ内容を私に語るということは、何らかの方法によって、私の想いというものが、別の人に伝わったとしか考えられないことでした。なぜならば、そのことについて私が想ったことは、それは私しか知らないことであり、相手には全く分からないことだったからです。

その出来事は、私にとって、忘れられない強烈な体験となりました。それは、非常に多くの情報内容が、自分の意志や意識とは関係なく、無意識の方法によって、相手に完全に伝わったということだったからです。
その出来事は、私に、心の不思議さというものを教えてくれるものでした。

私達は、別れる時に、お互いの住所を交換しました。そして、私は、ヨーロッパに着いた時に手紙を送ることと、バロセロナに着いた時には、電話をすることを約束しました。ポール・モーリアさんに似たその人と再会したのは、それから約四ヶ月後のことでした。そこには、更なる不思議なことが私を待っていたのです。

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ヨーロッパ編

中近東編

1.イスラエルへの出発
2.イスラエルでの一か月
3.ユダヤの神殿と、イスラムの聖地
4.トイレ探し大冒険 イン エジプト
5.ルクソールでの太陽の夢

アジア編

1.カラチの出来事
2.ダライ・ラマとの出逢い
3.ラダック・レー(1)マンダラ祭
4.ラダック・レー(2)出逢いと発見
5.ラダック・レー(3)事故
6.スリナガルの夢
7.サールナートの情熱(未完成)
8.聖地バラナスィ
9.フィリピンでの治療