六、新しい人生の始まり
二、新しい自己の発見
人は誰でも苦しみを欲しません。できるだけ苦しみを避けようとします。そして、人生に楽しみを求めていこうとするものです。なぜならば、それが人間の普通の姿だからです。中には、自分から苦行を求めていく人もいます。しかし、そうした人でも、必ずそのことには何かの目的があって、その目的の為に一時的に困難な状態に自分の身を置いていくのです。
自分から好んで苦しんでいくことは必要ありません。苦しみは、自分から求めていかなくても、向こうの方から自然に自分の人生に訪れて来るからです。しかし、苦しむことによって、貴重なことを得ることができるということは真実のことです。そして、人は大きな困難、苦難を経験していくうちに、それまでの人格が大きく変わってしまい、大きな変容を起こしていくことがあります。それは、以前の自分では容易にできなかったある事柄が、ある日を境に、何故か簡単にできるようになっている自分を発見してしまうからです。それは、新しい自己の発見ということです。
苦しみを通して、新たに身についてくるもの(新しい自己発見)
忍耐力
自己コントロール(自制心)
自己反省(自分の弱点)
身体の健康管理
新しい考え方
新しい理解力
新しい知識の獲得
現実体験
自己認識
人生というものに対する理解
自分の人生の修正
人生の危機管理
金銭感覚
人に対する思いやり(愛)
自分という人間のカルマの深さ
大生命の慈悲
潜在意識、超意識の発見
両親の有難さと感謝
総てのものに対する感謝
希望と勇気
二十一、信仰
二十二、一即全・全即一
人は、ある日、全く思いがけない時に、自分でも想像もできない出来事が発生し、そのことに自分が巻き込まれていってしまうことがあります。そして、その新しい事態に対して、自分がどのように解決していいのか全くわからない状態のままに、混乱と苦しみのカオスの中に投げこまれていってしまうのです。カオスとは、総てのものを、その煮えたぎった状態の中で燃焼し、溶かし尽し、そのものを元のゼロの状態に帰してしまうものです。人が一度、そのカオスの中に投げ込まれてしまうと、今までの自分が全て焼き尽くされてしまって、そして死んでしまうのです。人生において、これほど過酷なことはないでしょう。
しかし、カオスには明確な目的があるのです。それは信じられないような大破壊の後で、今まで持っていなかった能力を獲得する為に、その存在に対して大変革と大創造を行っていくということです。言葉を変えれば、高度な存在に造り変えていく為に、以前の秩序を根本から破壊していくということです。古い秩序が、偉大なるカオスの力によって完全に崩壊されていくことによって、その対象とされる存在が、より高度で一段上の新秩序の状態へと改変、創造されていくということです。ここにカオスの意義があり、現在、私達が変化の中に置かれ、そして苦しんでいる者に対する希望の光があります。
そのようにカオスという混沌状態は、全ての進化と成長において無くてはならない大きなプロセスとなっています。そのプロセスは、あらゆる生物、家庭、会社、国家、人類の歴史、地球、宇宙等、全てに及んでいます。
つまり、進化と成長の中には、そのカオスという恐るべきプログラムが設定されているということです。そしてある時期が来ると、私達の意志に関係なく、そのプログラムが自動的に発動していくようになっているのです。
生物の進化のプログラムは、そのようにある時期が来ると、それまでのバランスが崩れて異常状態になっていき、その異常状態を通過していくことによって、その中から再び新たな秩序とバランスが造られ、回復していくようになっているということです。それは常に前進し、更なる進化と発展を求め続ける宇宙の動きそのものであり、大生命自身の意思そのものでもあります。
困難、苦難を通り抜けてみると、以前の自分では到底できなかったことができてしまう自分を発見することがあります。それは物事に対する新しい考え方であり、新しい認識の仕方でもあります。そして、自分の受容力が以前より拡大していき、その判断する基準も、より高く、より長期に渡って、全ての事柄を見通していくことができるようになっていくのです。そのように人間は永遠に向上していく生命存在ですから、全ての人間は、絶えることなく進化と成長を続けていきます。
子供は赤子より成長しており、青年は子供より成長しています。また、壮年は青年よりも成長しており、老人は壮年よりも成長しています。やがて、その老人も今回の生を終えていきます。しかし再び、この地上に生を受け、数多くの事を体験し、成長していくことに定められています。
そのように毎回、地上に生まれてきますが、今回の人生は前回のどのような人生よりも確実に成長しているということを表しています。そして、次に来る人生は、今回の人生よりも必ず成長していくということを表しているのです。
新約聖書では、本源的生命へ至るプロセスのことが、一番、最後に収められている黙示録に書かれています。
黙示録というものは、人間という存在が、本源的生命へ還っていく為の生命の指導書です。それは、約2000年前に、当時、パトモス島に流されていたヨハネによって、自分が体験した記録を後世の人々の為に書きしるしたものなのです。ヨハネが生きていた当時では、重要な内容を書くことにおいて、直接的表現が許されない時代でした。また、その内容そのものが、言葉を超えた超意識状態を表している為に、多くの象徴的表現が取られ、一部の人々だけが理解できるようなものになったのです。黙示録によれば、最終的な新天新地である新エルサレムという状態に至る為には、一人一人の人間に、数多くの災難と呼ばれる苦しみのプロセスを通らなければならないことが定められているのです。新天新地である新エルサレムとは、人間が神人合一に至った状態を表しています。災難とは、人間がその本源的生命と一体になっていく為に必要なプロセスを表し、またそれによって生じるカオスによる出来事を表しているのです。
それは、具体的には七つ封印であり、七つのラッパであり、七つの鉢を示しています。しかし、その災難の一つ一つが一人一人の身体に及んでいくことによって、その人間の総ての細胞や総ての器官を根本的に浄化して変えてしまうのです。つまり、それら一つ一つの苦難という浄化のプロセスを通過していって初めて、その人間の生命内部に潜んでいる超意識というものが目覚めていき、やがて神人合一という状態になることができるということが書かれているのです。
人間の意識が、人体の内部に存在している超意識に少しずつ目覚め始めていくと、それが徐々にその人の全身の細胞に伝わっていき出します。そして、それがある一定の数量に達していくと、今度はその人の全身の別の細胞が、もともとその細胞の内部にあった超意識によって、次々と目覚めさせられていくのです。それは、大生命に対して、人間が進化と成長というプロセスを続けていくと、全身の別細胞に超意識のスイッチが入っていくということを表しています。そうすると、その人の意識は、超意識の方の細胞数が多くなるために超意識優位体制を造っていくことになります。つまり、その人は新しく目覚めさせられた超意識体制によって支配され、統御されていく結果、新時代に生きる新人類が誕生することになっていくのです。
また、国家や地球そのものも一つの生命体ですから、理想的な状態になっていくプロセスは人間と全く同一です。国家や地球が進化と成長をしていく為に、黙示録に書かれていることと同様に、数多くの困難、苦難というプロセスが国家や地球にも現われて来ることに定められています。ですから私達はそれらの一つ一つのプロセスを、時代と共に乗り越えていかなければならないのです。しかし、忘れてはならないことは、その後に現われて来る世界は、以前よりも、より浄化された素晴らしい世界であり、やがて私達を含めた人類世界そのものが、真の理想世界になっていくということです。

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